心理戦としての相場取引。市場には常に悪い大人が棲んでいる

心理戦としての投資

今回は相場における騙し手法について書いていきます。
騙しと言っても、政府認定間近の新しい基準の健康にいい水に投資しませんか?とか、新興国の将来IPOがあるので数百万円投資すると3年後に5倍になります…とかいう類の投資詐欺の騙しではありません。

相場における騙しとは

  • 騙し上げ
  • 騙し下げ

この二つの手法に関してです。

相場には悪い大人(多額の資金筋など)が棲んでいる

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大口の資金筋が、自分が持っている株やポジションを少しでも高く売り抜けるために、騙し上げを使って株価を上げて、高値で売ってしまう現象です。この手法はもちろん買いでも売りでも可能ですので、この騙し上げや騙し下げが日々どこかの銘柄で行われているといっても過言ではありません。日々行われていると言っても、騙し上げや、騙し下げを行えるのは、売り買いすることで株価に影響が出るほど株を大量に保有している資金筋だけなので、一般的な投資家では正直太刀打ちできません。普通の投資家が、1日中で株を100株、1000株と売買した程度では、株価に大きな影響が出ません。通常の業績好調のニュースや新商品の発表などではなくいきなり不可思議に値が高騰する事があります。

個人投資家の規模をはるかに超える多額の資金を動かせる筋がこの手法を使い、株価を上昇させると、その値上がりを見た他の個人投資家さんたちがつられて買いに走ります。さらに株価が上昇していくという現象がおきます。

*高値に飛びつくトレーダーの事をネット等では、イナゴトレーダーと表現します。またこのような現象は提灯がつくとも言われます。

多くのトレーダーを巻き込み利益を得る

ある程度上がったら、騙し上げのために購入した株と、保有している株をまとめてどーんと売って利益を得るわけです。

これにより、騙し上げを仕掛けた資金筋は他の投資家によりさらに上がった高値で大量の売りに転じます。
それまで勢いよく上がっていた株価は一気に下降し、巻き込まれた他の投資家さんたちは高値掴みをしてしまい損を抱えるという流れになります。
ここでつかまってしまった投資家さんの事はネット等では燃料・養分等と言われてしまいます。
また上昇値が騙しによるものですので、短期的に高値に戻ることは少なく、損切りを強いられることがほとんどです。

対策は難しいために常に警戒を

この動きや仕掛けはチャートを見ているだけでは、判断が難しいです。
初心者のうちは確かめるすべもありませんが、経験を積むことでなにか怪しいななどと感じるようになります。
結果論としてチャートの動きを見て、この時に起きた上昇は騙し上げだったに違いない…と、推測して場数を踏んでいくしか対抗策がありません。

常に相場にはあなたを騙しにかかる動きがあるのだという事を頭にいれて安全、健全なトレードを心がけてほしいと思います。