5月はセルインメイ警戒の声がありましたが…
2015年5月の外国為替市場は連日のように何年ぶりの高値更新とのニュースが出て、月末のポジション調整もなんのその蓋を開けてみれば力強い上昇を見せて取引を終えました。ショートポジションの損切りや、ロングに対する飛び込みを燃料にチャートはあがるあがる…w気がつけば124円を守ってフィニッシュ。
チャートを見てもわかるように強い売りは観測されず、ただひたすらレンジブレイクによる上値更新を連日続けました。
想像を超えるスピード感で120円ー124円を達成
この1週間を振り返るとあまりに早いスピードで、上昇したドル円、ターゲットは125円どころか130円との声も上がっています。
もちろん、この背景には5月22日の講演で米国イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長発言からドルの年内利上げが現実的になってきたという材料があります。
【5.23】FXドル円 FRBイエレン議長「年内の利上げは適切」などまとめ
「年内に利上げを始めるのが適切」との発言だけでここまであがる?
米ドルを買う材料となった利上げ観測ですが、別にイエレン議長がサプライズで発言したわけではありません。むしろFRBもこの件に関しては、長い期間をつかってゆっくりと審議し、常にその内容は気を使いながら発表してきています。はっきり言えばこの「年内利上げ適切」という表現にそこまでの驚きはありません。
ところがドル円はロングの嵐、特に個人投資家ではなく大口資金の買いが入ったためにチャートは前述のように吹き上げてしまいました。
僕個人的には、この時期、短期間でのここまでのドル円上昇を想像していませんでしたので、ポジションを短期ナンピンしたり、損切りしたりしながら取引を繰り返し、非常いペースが乱れました。
利上げ本番への備えや心の準備によかったかも?
今日現在、ドルの利上げは今後実施されることは間違いないとして、その本番がやってきたときに相場はどう動くのか。
それまでのレンジを簡単に壊し、次なるステージに突入していく様子を少しでも体感しておくこととしては有意義だったかもしれません。
ただ、相場にはコツコツドカンという言葉もある通り、一度の失敗で資金が枯渇、ロスカットで強制退場ということもあり得ます。
常に資金管理や、損切りラインの設定を大事にしておくべきと改めて思います。
資金管理は何よりも重要です。大敗さえしなければ何度失敗してもいい。
火山や地震と自然災害リスクも警戒すべき。ただ影響は少なそう…
5.25日に関東に地震がありました。やや強い揺れで、瞬間的にドル円も円高に振れましたが、あっという間に値は戻りました。
また鹿児島県の口永良部島爆発的火山の噴火も発生しましたが、ドル円相場への影響は限定的でした。
(5.29追記)忘れた頃にやってくる。災害対策関連銘柄PickUp*鹿児島・口永良部島で爆発的噴火*
来週(6月月初)の立ち回りも難しい。。
本来であれば、来週この上昇にある程度の調整や、一服感が出てくるのかなと思っていますがドル円らしからぬ一方通行相場を演出されてしまったために、心理的にはロングもショートも警戒感が高まってくるかと思います。ロングポジションは利益は出ますが、いつ利益確定したらいいのか??との心理も働きますし、逆にショートもそろそろ落ちるはずだと待ち続けて、1週間痛い目をみてしまったという方が多数いるかと思います。
「分からない相場は様子見で」という方も多いと思いますので、この土日の要人発言や地政学リスク発生などで大きく空気感が変わってこない場合は、新しいレンジ相場を形成していく月初めとなるのかもしれません。
大相場の時はうまく乗れれば非常に大きな利益を手にすることができます。
しかし逆に、ポジションを取ってしまうとその分だけ大きく損失を抱えるということになりますので、常に油断をせずに気を引き締めて取引していくことが重要かと思います。