【6753】シャープ 超有名企業を震源地としたマネーゲームは最終章へ。さわらぬ神に祟りなし。個人トレーダーは見て楽しむべし

【6753】シャープ 注目が高まる週明けまで数時間

1日チャート

1週間チャート

1ヶ月チャート

3ヶ月チャート

6ヶ月チャート

革新機構が撤退表明 シャープ・東芝支援に関して

SS 2016-02-29 2.54.46

官民ファンドの産業革新機構は26日、意思決定機関の産業革新委員会を開き、シャープが鴻海(ホンハイ)精密工業への傘下入りを決めたことを報告した。機構の志賀俊之会長兼最高経営責任者(CEO)は委員会の終了後、記者団に「今日の報告をもって案件はクローズする」と話し、シャープとの出資交渉から撤退する考えを表明した。

シャープ・鴻海傘下、契約調印の期限「設定せず」鴻海が声明3・7説を否定

SS 2016-02-29 2.55.52

http://www.sankei.com/smp/west/news/160228/wst1602280045-s.html

台湾の鴻海精密工業は28日、経営再建中のシャープを買収する交渉をめぐり、契約調印の期限は「設定していない」とする声明を発表した。3月7日の契約を目指しているとする一部報道を否定した。

シャープのドタバタ一連の流れに関して

個人的な見解ですが、今回の件に関して僕が思うのはおそらく産業再生機構は偶発債務知ってたんだろうなということ。その上で裏で色々な数値や現状を把握しており厳しい合意内容をしっかりとシャープ側に提示してたのでしょう。シャープ側はまだ内情を握られていない鴻海に高く売りつけることを目論んで失敗してしまった。その選択の答えによって、産業機構からの助けの道は閉ざされたという状況ですね。

裏でみずほ銀行VS三菱東京UFJの思惑もぶつかってる模様

シャープのメインバンクであるみずほ銀行が行ってきた過剰貸付から歯車は少しづつ狂っていました。キモの液晶事業での損失や経営計画の失敗から現在の状況に陥ってるわけですが、実際、この瀬戸際での交渉によって鴻海に買収が決まれば、みずほ銀行は債務放棄のリスクを避けることができます。目先のごまかしで改革を遅らせてきたツケをそのまま鴻海に押し付けてしまおうと言う思惑が見えますね。しかし、もう一つのメインバンクの三菱東京UFJ銀行はみずほ銀行とは反対の立場をとっていました。自身の債権放棄リスクに向き合い産業革新機構主導による再建を支持していたのです。

みずほ銀行→鴻海との話で事なかれ主義。経営責任も問わない
三菱東京UFJ銀行→産業革新機構支援で経営陣責任も含め、再建を目指していた。

結局、報道によるとシャープは全会一致で鴻海への身売りに向かっていきました。そして将来発生する可能性がある「偶発債務」なる怪しいリストをギリギリに鴻海に提出。話が違うじゃないかという至って正論によってこの契約は保留状態になります。

みずほ銀行株価
1週間チャート

三菱東京UFJUFJ銀行株価
1週間チャート

気になるのはタイミングの謎

この「偶発債務」なる怪しいリストをなぜあのタイミングで相手に提示したのかということ。変な言い方ですが、どうせ騙すつもりだったのならとことん貫くべきだったし、誠意を見せるのであれば最初からしっかりと交渉段階で話し合うのが筋というものです。
ギリギリのタイミングなら相手が気が付かないと思って出したのだとしたら小学生レベルの稚拙な行為と言えますし、流石にここまでの歴史ある企業がそんなことをするのでしょうか?
何か大人の都合というか大きなシナリオの中で物事が動いているような気も多少しますが、これ以上追求するのは投資家としては無駄な行為といえますので、この点に関しては追加報道などを注視して追っていく他ないかなと思っています。

最後になりますが、有名企業のこの手のマネーゲーム化にはつい飛び乗ってしまいそうになるのですが、多くの場合は火傷をおって、飲み会の席での話のタネにしかなりません。

なるべく静観し、安易に飛び乗ってしまうのは危険かなと思っています。